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財産の分け方、相続ではどうなるのか?上級相続診断士がお答えします。

 

【執筆者 上級相続診断士 福山 勇毅】

相続対策を考える際に財産の分け方について、
「誰が受け取るのか?」という疑問は、
まず、立ちはだかる問題ではないでしょうか?

今回は、こういった疑問に答えていきます。

本記事の内容
・相続人の種類と順位って何?
・相続人の3つの基本パターンまとめ
・相続の具体例集

本記事では、相続の7つのパターンを紹介していますが、
「まさしくこのパターンに当てはまる!」という方は少ないでしょう。

とはいっても、ご自身に当てはめて考える際に、
基本となるパターンばかり紹介していますので、是非おさえて下さい。

 


相続人の種類と順位って何?

【誰に権利があるのかお答えします】

最初に、結論から言いますと、相続財産の受取人は民法によって決まっていますので、財産の分け方は民法にのっとって考えていかなければいけません。

言い換えると、法的に相続できる人は決まっていて(法定相続)、それによって分け方が変わってきます。

具体的には、相続人(相続を受ける人)の種類と順位に従います。ちなみに、相続をする人のことを被相続人といいます。

もし仮に、遺言書がなかったり、法定相続に従わない相続人がいる場合や、遺産分割協議がまとまらない場合はトラブルになりかねません。

トラブルを避けるためにも、まずは「誰が相続人になるのか?」を知った上で「どういう風に財産を分けるのか?」を考え、遺言書に自分の意思を示していくことが大切です。

と同時に、自分の意思通りに相続するための「今できる対策は何か?」と戦略的に対策を打っていく必要があります。

そうすることで、ご自身の想いを形にして後世に残していくことができます。

それでは、まずは、相続人の種類についてです。

 

【相続人の種類とは?】

相続人の種類には、

1.血族相続人
2.配偶者相続人

の2つがあります。

いきなり難しい言葉が出てきて、驚かれた方もいらっしゃるかと思います。

血族相相続人って誰のことなの?ということですが、

ア.子およびその代襲相続人(孫以下は代襲相続のみ)
イ.直系尊属
ウ.兄弟姉妹およびその代襲相続人(兄弟姉妹の子までに限定)

の事を指します。

まずは、「ア.子およびその代襲相続人(孫以下は代襲相続のみ)」についてですが、子は問題ないかと思います。ご自身の子どものことを指しますね。

で、代襲相続人って誰のことなの?ということですが、

そもそも、代襲相続とは、

「相続開始時において、相続人となるべき者が死亡その他の事由により
 相続権を失っている場合において、当該相続人(被代襲といいます)の相続人が、
 被代襲者に代わって、本来被代襲者が相続するはずであった財産を相続すること」

をいいます。

ということは、被代襲相続人の財産を相続する人のことを代襲相続人といいます。

ちょっと難しいですね、、、簡単に図で説明します。

例えば、ご自身(被相続人)がなくなった際に、息子さん(相続人)がすでにお亡くなりになっているようなご家庭を想定します。

この場合、相続人となるべき息子さんがなくなっているため、その相続人である被相続人からみたお孫さんがこの権利を引き継ぎ、息子さんが相続するはずであった財産を相続します。

息子:相続人から被代襲相続人へ
孫 :代襲相続人

つまり、このケースの場合だと、相続人である配偶者と代襲人であるお孫さんの2人が相続することになります。

おわかりいただけましたか?

続いて、「イ.直系尊属」についてですが、この直系尊属という言葉を初めて聞かれた方も多いのではないでしょうか?

説明させて頂くと、直系尊属とは
「父母、祖父母、曾祖父母、玄祖父母というように、直属する血族」のことをいいます。

最後に、「ウ.兄弟姉妹およびその代襲相続人(兄弟姉妹の子までに限定)」に関してですけれども、代襲相続人の説明は先ほどしましたので、ご理解いただけると思います。

まとめると、相続人の種類は、

1.血族相続人
ア.子およびその代襲相続人(孫以下は代襲相続のみ)
イ.直系尊属
ウ.兄弟姉妹およびその代襲相続人(兄弟姉妹)
2.配偶者相続人

となります。

つづきまして、相続人の順位についてです。

 

【相続人の順位とは?】

相続人の順位は、

第1順位 子
第2順位 直系尊属
第3順位 兄弟姉妹

となります。

図で表すと、このようになります。

第1順位~第3順位までを①~③で表しています。

ここで、配偶者はどうなるの?と疑問を持たれた方はさすがです!するどいですね!

なぜ、配偶者が順位に入らないのかというと、配偶者は常に相続人となるからです。

ただし、この「配偶者」というのは法律上の婚姻をしている者のことであり、内縁関係にある人は含まれません。

ですので、あなたが、内縁関係にあって夫婦同然の関係にある方に、「自分の財産を相続してもらいたい!」という意思をお持ちであれば、何かしらかの対策が必要でしょう。例えば、婚姻届けを出す、もしくは遺言書を作成するなどです。

それでは、続いて第1順位~第3順位となるパターンを見ていきます。

 


相続人の3つの基本パターンまとめ

【3つのパターンにあてはまりますか?】

この3つのパターンは相続の基本形です。あなたのケースに当てはまらないとしても、基本形の応用がご自身のケースとなりますので、しっかり押さえていきましょう。

それでは、まずは第1順位の子が相続人となるパターンです。

このケースのように、子がいる場合は第2順位の直系尊属と第3順位の兄弟は相続人になりません。
ですので、常に相続人となる配偶者と子の2人が相続人となります。
(相続人は赤い範囲の方になります。)

続いて、第2順位の直系尊属が相続人になるパターンです。

 

【子がいないと父母に相続権がうつります、、、】

このように子がいないような場合は、第2順位の直系尊属が相続人となります。
被相続人からみた父母が第2順位にあたります。

最後に、第3順位の兄弟姉妹が相続人となるパターンです。

 

【兄弟姉妹が相続人になると知っていましたか?】

まさか、自分の兄弟姉妹が相続人になるとは思っていなかった方も、いらっしゃるのではないでしょうか?

ですけれども、実は、第1順位となる子も、第2順位となる直系尊属も存在しない場合には、兄弟が相続人になります。

以上が、相続人の種類と順位を考慮した「相続人の3つの基本パターン」です。

ご自身のケースはこの3つのパターンのどれかにあてはまりましたか?
ほとんどの方はあてはまるのではないでしょうか?

もちろん、あなた自身のことに関しては、以上の3つのパターンをベースに子や親、兄弟の数などの状況に合わせて、具体的に考えていく必要があります。

次回以降のブログでは法定相続分の基本的割合についても説明していきます。
法定相続の具体例集では、基本的割合を入れた形で見ていきましょう。

 


法定相続の具体例集

それでは、まずは「例1.第1順位」となるパターンです。

法定相続人:法定相続分
配偶者 : 1/2
子A  : 1/2 × 1/2 = 1/4
子B  : 1/2 × 1/2 = 1/4

 

続いて、「例2.第2順位」となるパターンです。

法定相続人:法定相続分
配偶者 : 2/3
父   : 1/3 × 1/2 = 1/6
母   : 1/3 × 1/2 = 1/6

 

続いて、「例3.第3順位」となるパターンです。

法定相続人:法定相続分
配偶者 : 3/4
姉A  : 1/4 × 1/2 = 1/8
姉B  : 1/4 × 1/2 = 1/8

 

続いて、「例4.配偶者しかいない」パターンです。

法定相続人:法定相続分
配偶者 : 1

 

【まずは、家系図から始めましょう!】

様々な相続のパターンを見てきましたが、養子がいる場合や、前妻との子がいる場合など、紹介してきたケースに全くあてはまらない方もいらっしゃるでしょう。

この場合はどうなるの?と疑問を持たれた方も多いのではないかと思います。
また、実際に誰が相続人になってくるのか見当もつかない方もいらっしゃるかと思います。

そういった場合には、まずは家系図をかくところから始めましょう。
しっかりと家族関係を把握した上で、法定相続人が誰になるのか整理していく必要があります。

また、ご自身の判断で相続対策を進めるより、専門家に相談した方がスムーズに話が進むこともあります。
相続を考える第一歩として、無料相談やセミナーなどを積極的に活用していきましょう。

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